「血液検査でALTやALPが高いと言われたけれど、食事を変えれば下がる?」「元気はあるのに、すぐ治療が必要なの?」と不安になっていませんか。
ALT・ALPが高いことだけで、肝臓病の種類や重症度は決まりません。ALTは主に肝細胞の傷害、ALPは胆汁の流れの異常や薬剤・ホルモンなどの影響を受ける酵素です。肝臓がどの程度働けているかは、ほかの血液項目や症状、画像検査などと合わせて判断します。
この記事では、犬のALT・ALPが高くなる主な原因、動物病院で確認したい検査、食事を変更するときの注意点を整理します。
30秒でわかる!犬の肝臓数値が高いときの対応
- ALT:主に肝細胞の傷害を示す指標ですが、肝機能や病名を単独で確定する数値ではありません
- ALP:胆汁うっ滞のほか、ステロイド、クッシング症候群、成長期の骨などでも上昇します
- 食事:自己判断で低タンパク・低脂肪にせず、原因と愛犬の状態に合う栄養設計を確認します
- 受診:黄疸、繰り返す嘔吐、食欲低下、腹部膨満、ふらつき・けいれんなどがあれば早めに動物病院へ相談します
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犬のALT・ALPが高いとはどういうこと?

ALTやALPは、血液検査で測定される「酵素活性」です。数値が高いと肝臓や胆道系の異常を疑うきっかけになりますが、数値の高さと肝機能低下の程度が必ず一致するわけではありません。
基準値は検査機器や動物病院によって異なります。インターネット上の基準値と比べるのではなく、検査結果に記載された基準範囲、上限の何倍か、前回からの変化を獣医師と確認しましょう。
ALTは主に肝細胞の傷害を示す
ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)は、犬では主に肝細胞に含まれる酵素です。肝細胞が傷つくと血液中へ放出されるため、肝細胞傷害を見つける感度の高い指標として使われます。
ただし、ALTだけでは原因となる病気、肝臓の残存機能、組織の重症度までは判断できません。数値が下がった場合も、傷害が改善したケースと、末期に正常な肝細胞が減ったケースをALTだけで区別できないことがあります。
ALPは肝臓以外の影響でも高くなる
ALP(アルカリホスファターゼ)は、胆汁うっ滞や胆管周辺の異常で上昇します。一方、犬ではステロイドホルモンの影響を受けやすく、クッシング症候群、ステロイド薬、フェノバルビタールなどの薬剤、成長期の骨などでも上昇することがあります。
そのため、ALPが高いだけで「肝臓が悪い」「胆泥症である」とは断定できません。ALT、GGT、総ビリルビン、症状、服薬歴、超音波検査などを合わせた評価が必要です。
ALT・ALPが高くなる主な原因
肝酵素の上昇には、肝臓そのものの病気だけでなく、胆嚢・胆管、膵臓、内分泌疾患、薬剤なども関係します。
| 原因の分類 | 例 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 肝細胞の傷害 | 急性・慢性肝炎、中毒、銅関連性肝炎、腫瘍など | ALTの推移、症状、画像検査、必要に応じて肝生検 |
| 胆汁うっ滞・胆道系 | 胆泥症、胆嚢炎、胆嚢粘液嚢腫、胆管閉塞など | ALP・GGT・ビリルビン、腹部超音波 |
| 内分泌・代謝性疾患 | クッシング症候群、糖尿病、高脂血症など | 症状、ホルモン検査、血糖・脂質 |
| 薬剤の影響 | ステロイド薬、フェノバルビタールなど | 薬の種類、投与量、開始時期 |
| 肝臓以外 | 成長期の骨、骨疾患、全身性炎症など | 年齢、ほかの検査値、基礎疾患 |
服用中の薬やサプリメントがあっても、自己判断で中止しないでください。商品名、投与量、開始日を獣医師へ伝え、変更の必要があるか相談しましょう。
すぐに受診したい症状
元気や食欲があり、軽度の上昇だけであれば、獣医師の判断で再検査しながら推移を見る場合があります。一方、次の症状がある場合は、数値の高さにかかわらず早めの受診が必要です。
- 白目や歯ぐき、皮膚が黄色い
- 食欲がない、嘔吐や下痢を繰り返す
- ぐったりしている、急に体重が減った
- お腹が張る、腹痛が疑われる
- 黒い便、出血が止まりにくい
- ぼんやりする、ふらつく、けいれんする
誤食した可能性がある場合は、食べた物、量、時刻、包装を動物病院へ伝えてください。
動物病院で確認される検査
ALT・ALPの上昇が一時的か持続的か、肝臓以外の原因がないかを調べるため、犬の状態に応じて検査を組み合わせます。
- 血液検査の再確認:ALT、ALP、AST、GGT、総ビリルビンに加え、アルブミン、血糖、尿素窒素、コレステロールなどを確認します。
- 肝機能に関する検査:必要に応じて総胆汁酸、アンモニア、凝固系検査などが検討されます。
- 画像検査:腹部超音波やレントゲンで肝臓、胆嚢、胆管、膵臓などを確認します。
- 原因を確定する検査:慢性肝炎や銅蓄積などが疑われる場合、肝生検と病理検査、銅定量が必要になることがあります。
「数値だけを正常にする」のではなく、上昇の原因を特定して治療することが重要です。
犬の肝臓数値が高いときの食事
ALT・ALPが高いという理由だけで、すべての犬に低タンパク・低脂肪食が必要になるわけではありません。原因、肝機能、胆嚢・膵臓の状態、体重、筋肉量によって適した食事は異なります。
タンパク質を極端に減らさない
タンパク質は筋肉や臓器の維持に必要です。肝性脳症や高アンモニア血症などで獣医師から制限を指示された場合を除き、自己判断で大幅に減らすと筋肉量や栄養状態を損なう可能性があります。
必要量とタンパク源は病態によって変わるため、診断後に獣医師または獣医栄養学に詳しい専門家へ相談しましょう。
脂質制限は併発疾患に合わせる
膵炎、高脂血症、胆嚢疾患などを併発している場合は、脂質調整が必要になることがあります。しかし、脂質を減らしすぎると十分なエネルギーを摂取できない犬もいます。検査結果と体格に合う栄養設計を確認してください。
銅制限は診断後に検討する
銅関連性肝炎が確認された犬では、銅を制限した食事が治療の一部になります。ただし、ALT・ALPが高いすべての犬へ低銅食が必要なわけではありません。肝生検や銅定量などの診断結果に基づいて判断します。
おやつ・トッピングは少量にする
人用の味付け食品、脂身、加工肉、塩分の多い汁物は避けましょう。納豆、しじみ、特定の野菜を加えただけで肝酵素が下がるとはいえません。トッピングを使う場合も、主食の栄養バランスを崩さない少量にとどめ、持病や服薬がある犬は事前に獣医師へ確認してください。
手作り食だけで肝臓ケアをしてもよい?
白身魚や野菜を使った手作り食は、一時的に食べやすくする工夫として使われることがあります。しかし、肉・魚・野菜だけでは、カルシウム、必須脂肪酸、ビタミン、微量元素などが不足または過剰になりやすく、長期の主食には栄養設計が必要です。
療法食を食べない、手作り食を主食にしたい、複数の病気を併発している場合は、かかりつけの獣医師や獣医栄養学の専門家へレシピ設計を依頼してください。
肝臓に配慮した目的別フード
食事療法が必要と判断された場合は、愛犬の診断内容に対応した療法食・目的別フードを検討します。以下の商品も、ALT・ALPを下げることを保証するものではありません。現在の治療や検査値に合うか、獣医師へ相談して選びましょう。
和漢みらいのドッグフード・肝臓用
和漢みらいのドッグフードには、病気別・年代別の商品があり、肝臓用も用意されています。公式の商品情報では、肝臓に配慮してタンパク質や脂質などを調整した目的別フードとして案内されています。
肝性脳症、高アンモニア血症、膵炎、胆嚢疾患などを併発している場合は、必要な制限が異なる可能性があります。商品名だけで決めず、原材料・保証成分を獣医師へ見せて確認しましょう。
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SOWAKA 躍膳・肝臓/膵臓/消化器
SOWAKAの「躍膳 肝臓・膵臓・消化器」は、肝臓だけでなく膵臓や消化器にも配慮した特別療法食として案内されています。公式ページでは、タンパク質23.7%、脂質8.6%と記載されています。
和漢みらい肝臓用とは栄養成分や商品設計が異なります。低タンパクや厳密な脂質制限が必要な犬に適するとは限らないため、診断内容と合わせて確認してください。
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SOWAKA公式サイトで確認するSOWAKAと和漢みらいの違いは、以下の記事で商品数・内容量・価格・栄養設計を比較しています。
犬のALT・ALPに関するよくある質問
ALTやALPが高くても元気なら様子見でよいですか?
元気があっても、肝酵素の上昇が続く場合や上限の何倍にもなっている場合は、原因確認が必要です。再検査の時期や追加検査の要否は、数値の推移、年齢、症状、服薬歴によって異なります。自己判断で放置せず、担当獣医師の指示に従ってください。
フードを変えれば肝臓数値は下がりますか?
原因が食事や栄養設計と関係する場合は、食事変更が治療の一部になることがあります。しかし、胆道閉塞、内分泌疾患、薬剤、中毒、腫瘍などが原因なら、フード変更だけでは対応できません。原因の診断を優先しましょう。
納豆やしじみは肝臓に良いですか?
納豆やしじみを与えることで犬のALT・ALPが下がるとする十分な根拠はありません。しじみの味噌汁や人用の加工品は塩分や調味料の問題があるため与えないでください。食品を追加したい場合は、愛犬の病気と主食の栄養バランスを確認して獣医師へ相談しましょう。
基準値はいくつですか?
ALT・ALPの基準範囲は、検査機器や測定方法、年齢などで異なります。検査票に記載された動物病院の基準範囲を使用し、上限からどの程度離れているかと経時変化を確認してください。
ALPが高いと胆泥症ですか?
ALP上昇の原因は胆泥症だけではありません。胆汁うっ滞、ステロイド薬、クッシング症候群、成長期などでも上昇します。胆嚢や胆管の状態は腹部超音波などで確認します。
まとめ
犬のALT・ALPが高いときは、数値だけを下げようとするのではなく、原因を確認することが大切です。
- ALTは主に肝細胞傷害、ALPは胆汁うっ滞や薬剤・ホルモンなどの影響を受ける
- ALT・ALPだけでは肝機能、病名、重症度を確定できない
- 検査票の基準範囲と、前回からの推移を確認する
- 食事は原因や併発疾患に合わせ、自己判断で極端に制限しない
- 療法食・目的別フードは獣医師へ相談して選ぶ
黄疸、食欲低下、繰り返す嘔吐、腹部膨満、ふらつきなどがある場合は、早めに動物病院へ相談してください。
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免責事項:本記事は一般的な情報を紹介するもので、病気の診断・治療を目的とするものではありません。検査値の異常、症状、持病がある場合は、かかりつけの獣医師へご相談ください。




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