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「愛犬の心臓が大きくなっていると言われた」
「僧帽弁閉鎖不全症には、どんな食事がいい?」
「ささみやさつまいもを使った手作り食を与えたい」
犬の心臓肥大や心臓病では、食事管理が治療を支える重要な要素になることがあります。
ただし、心臓病と診断された犬すべてに、同じ減塩食や手作り食が適しているわけではありません。
必要な栄養管理は、心臓病の種類や進行度、うっ血性心不全の有無、体重、筋肉量、腎機能、投薬内容などによって変わります。
この記事では、犬の心臓肥大・心臓病の食事について、減塩の考え方、食べてはいけないもの、食べられる食材、手作りレシピ、ドッグフードを選ぶ際の注意点まで解説します。
※愛犬の食事を大きく変更する場合は、かかりつけの獣医師へご相談ください。咳、呼吸困難、失神、急な食欲低下などがある場合は、食事の工夫だけで様子を見ず、早めに受診してください。
30秒でわかる!犬の心臓病の食事
- 減塩:必要な制限の程度は、心臓病の進行度によって異なります
- 避けたい食品:加工肉、味付け食品、人間用スープなど塩分の多い食品です
- 食べられる食材:ささみ、白身魚、さつまいも、かぼちゃなどは一律禁止ではありません
- 手作り食:トッピングとしては利用できますが、長期の主食には専門的な栄養設計が必要です
- 療法食:心臓病の種類、病期、腎機能、投薬内容に合わせて選びます
犬の心臓肥大・心臓病では食事管理も大切
「心臓肥大」は特定の病名ではなく、画像検査などで心臓が大きくなっている状態を表す言葉として使われます。
犬の心臓が大きくなる原因には、僧帽弁疾患(僧帽弁閉鎖不全症)や拡張型心筋症などがあります。
そのため、「心臓肥大ならこの食材」「心臓病なら必ずこの療法食」と一律に決めることはできません。
食事を考えるときは、少なくとも次の点を確認します。
- 心臓病の種類と進行度
- うっ血性心不全を起こしているか
- 現在の体重・体型・筋肉量
- 腎臓病などの併存疾患
- 血液検査の結果
- 利尿薬など使用している薬
- 現在与えているフード・おやつ・サプリメント
進行した心臓病では、食欲低下や体重・筋肉量の減少が問題になることもあります。
塩分だけに注目するのではなく、必要なエネルギーと栄養を確保しながら、適正な体重と筋肉量を維持することも大切です。
犬の心臓病で意識したい食事のポイント
| 確認する項目 | 食事管理の考え方 |
|---|---|
| ナトリウム | 病期に応じて制限が必要になる場合があります |
| エネルギー | 食欲低下による体重・筋肉量の減少を防ぎます |
| たんぱく質 | 併存疾患などの理由がなければ、過度に制限しません |
| カリウム | 投薬内容と血液検査の結果に合わせます |
| 脂質 | 必要なエネルギーを確保しつつ、膵炎などの併存疾患にも配慮します |
| 食いつき | 必要量を継続して食べられることも重要です |
心臓病と腎臓病、膵炎、高脂血症などを併発している場合は、必要な栄養条件が複雑になります。
一つの病気だけを見て食材やフードを決めず、現在の検査結果や治療内容も含めて主治医へ相談しましょう。
心臓病の犬は減塩したほうがいい?

ナトリウムを多く摂取すると、体内に水分を保持しやすくなります。そのため、特にうっ血性心不全を起こしている犬ではナトリウム管理が重要です。
ただし、「心臓病と診断されたら、すぐに塩分を限りなくゼロにする」という考え方は適切ではありません。
心臓病の重症度によって、必要なナトリウム制限の程度は異なります。
症状のない段階と、肺水腫などを伴ううっ血性心不全の段階では、食事に求められる条件が同じとは限りません。
「どの程度のナトリウム制限が必要なのか」を、現在の病期に合わせて主治医へ確認してください。
参考:Tufts University「Heart Disease and Nutrition」
フード以外から摂取する塩分にも注意
ナトリウムは、主食のドッグフードだけに含まれているわけではありません。
次のようなものも、1日のナトリウム摂取源になる可能性があります。
- おやつやデンタル製品
- 人間の食事からの取り分け
- サプリメント
- 薬を飲ませるために使用する食品
- 手作りのトッピング
心臓病の犬に食事制限がある場合は、主食だけでなく、普段与えているものをすべて主治医へ伝えましょう。
心臓病の犬が食べてはいけないもの
心臓病だから禁止される肉や野菜が大量に存在するわけではありません。
特に注意したいのは、犬に有害な食品と、塩分の多い人間用食品です。
| 避けたいもの | 食品の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 犬に有害な食品 | 玉ねぎ、長ねぎ、にら、にんにくなどのネギ類 | 加熱の有無にかかわらず犬へ与えません |
| 犬に有害な食品 | ぶどう、レーズン、チョコレート、キシリトール入り食品 | 中毒を起こす可能性があります |
| 加工肉 | ハム、ベーコン、ソーセージ、サラミ | 塩分や脂質が多い傾向があります |
| 加工魚 | 干物、塩鮭、練り物、味付けされた缶詰 | 塩分や調味料を多く含むことがあります |
| 人間用の汁物 | みそ汁、コンソメスープ、ラーメンの汁 | 犬には塩分が多すぎる可能性があります |
| 味付け食品 | 惣菜、スナック菓子、漬物、味付けした肉や魚 | 塩分、脂質、調味料の量を把握しにくいためです |
かつお節や煮干しも、商品や与える量によってナトリウム量が異なります。「犬用」「減塩」と表示されていても、自由に大量に与えてよいわけではありません。
心臓病の犬が食べられる食材

主治医から特別な食事制限を受けていない犬であれば、次のような食材を味付けせず加熱し、少量のトッピングに使う方法があります。
| 食材 | 与え方 | 注意点 |
|---|---|---|
| ささみ・鶏むね肉 | 皮や目立つ脂身を除き、中心まで加熱する | 肉だけを長期間の主食にしない |
| 白身魚 | 骨を完全に取り除き、味付けせず加熱する | 干物や練り物は使用しない |
| さつまいも | 加熱して柔らかくし、少量与える | 糖質とカロリーを含むため与えすぎない |
| かぼちゃ | 種を取り除き、柔らかく加熱する | 肥満や糖尿病がある犬は量に注意する |
| キャベツ・白菜 | 細かくして柔らかく加熱する | 大量に与えると軟便になることがあります |
| りんご | 種と芯を取り除き、食べやすく切る | おやつとして少量にする |
これらは、心臓病を治療したり心臓を強くしたりする食品ではありません。
また、腎臓病、糖尿病、膵炎、高脂血症、食物アレルギーなどを併発している場合は、上記の食材が適さないこともあります。
ささみや鶏むね肉を与える際の注意点
味付けせず適切に加熱したささみや鶏むね肉は、犬が食べられる食材です。
ただし、ささみだけを主食として長期間与えると、カルシウム、脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどが不足する可能性があります。
また、腎臓病などの理由がない犬に極端な低たんぱく食を与えると、筋肉量の維持が難しくなることがあります。
さつまいもを与える際の注意点
さつまいもは、心臓病だから一律に禁止される食品ではありません。
味付けせず加熱したものを、少量のおやつやトッピングとして利用できます。
ただし、炭水化物とカロリーを含むため、肥満や糖尿病がある犬には与える量の調整が必要です。
りんごを与える際の注意点
りんごも心臓病だから禁止される食品ではありません。
種と芯を取り除き、食べやすい大きさにして少量与えます。ただし、心臓病を改善する目的で積極的に与える食品ではありません。
犬の心臓病に配慮した手作りレシピ

以下は、総合栄養食のドッグフードを主食としている犬へ、少量を添えるためのトッピング例です。
心臓病を治療するレシピや、長期間与える完全手作り食ではありません。
主治医からナトリウム、たんぱく質、リン、カリウム、脂質などについて指示を受けている場合は、その指示を優先してください。
ささみとかぼちゃの手作りトッピング
使用する食材
- 皮を取り除いたささみまたは鶏むね肉
- 種を取り除いたかぼちゃ
作り方
- 鶏肉を味付けせず、中心まで十分に加熱します
- かぼちゃを柔らかく加熱します
- 鶏肉と、かぼちゃを食べやすい大きさにします
- 冷ましてから少量を普段のフードへ混ぜます
鶏肉のゆで汁を利用する場合も、塩や市販のだしを加えないでください。
白身魚とキャベツの手作りトッピング
使用する食材
- 味付けされていない白身魚
- キャベツまたは白菜
作り方
- 白身魚を十分に加熱し、骨を完全に取り除きます
- キャベツを細かく切り、柔らかく加熱します
- 魚をほぐし、キャベツと混ぜます
- 冷ましてから少量を普段のフードへ添えます
干物、塩漬け魚、人間用の味付け魚、練り物は使用しないでください。
食材の茹でこぼしは必要?
心臓病の手作り食について、「肉や野菜を茹でこぼせば塩分を減らせる」と説明されることがあります。
しかし、すべての心臓病の犬に茹でこぼしが必要なわけではありません。
大切なのは、個々の食材からナトリウムを可能な限り取り除くことではなく、主食、おやつ、トッピングを含めた食事全体のナトリウム量を病状に合わせることです。
また、茹でこぼすことで水溶性の栄養素が失われる可能性もあります。必要性については主治医へ確認してください。
心臓病の犬はカリウムを控えたほうがいい?
カリウムについては、自己判断で増やしたり減らしたりしないことが重要です。
心不全の治療に使用される一部の利尿薬では、カリウムが失われることがあります。一方、ACE阻害薬やスピロノラクトンなど、血中カリウム濃度に影響する薬もあります。
そのため、心臓病だから一律にカリウムを制限する、または積極的に補給するというものではありません。
カリウムを含む食品やサプリメントを意図的に大量に追加せず、投薬内容と血液検査の結果に基づいて判断しましょう。
心臓病の犬は療法食に変えたほうがいい?
心臓病と診断されたすべての犬が、すぐに同じ療法食へ変更するわけではありません。
病気の種類、進行度、食欲、体重、筋肉量、腎機能、投薬内容などによって適した食事は異なります。
特に心臓病と腎臓病を併発している場合は、一方の病気だけを見て食事を選ぶのが難しくなります。
療法食を検討する場合は、「心臓によさそうだから」ではなく、現在の愛犬にどのような栄養調整が必要なのかを主治医へ確認しましょう。
心臓病の犬のドッグフードを選ぶポイント

市販のドッグフードを選ぶ場合も、一つの原材料や「無添加」「和漢」といった表示だけで良し悪しを判断しないようにしましょう。
確認したいポイントは次のとおりです。
- 主食として必要な栄養を摂取できるか
- 愛犬の心臓病の段階に合うナトリウム量か
- 必要なエネルギーとたんぱく質を摂取できるか
- 腎臓病や膵炎などの併存疾患に対応できるか
- メーカーの栄養設計や品質管理を確認できるか
- 愛犬が必要量を継続して食べられるか
参考:WSAVA「Global Nutrition Guidelines」
和漢系ドッグフードを検討している場合
和漢素材を取り入れたドッグフードを検討する方法もあります。
ただし、「和漢素材が入っているから心臓病が改善する」「薬が不要になる」と判断することはできません。
商品の原材料、栄養成分、カロリー、給与量、主食としての位置づけを確認し、病気のある犬に与える場合は商品情報を主治医へ見せて相談しましょう。
SOWAKAと和漢・みらいのドッグフードの違いについては、以下の記事で比較しています。
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タウリン・L-カルニチン・オメガ3は必要?
タウリン、L-カルニチン、オメガ3脂肪酸は、犬の心臓と栄養の関係で紹介されることがあります。
ただし、心臓病と診断されたすべての犬に、サプリメントとして追加する必要があるわけではありません。
心臓病には複数の種類があり、犬種、食事内容、検査結果によって必要性が異なります。
サプリメントは、摂取量、品質、薬との併用なども確認する必要があります。「心臓病だから、とりあえず追加する」という自己判断は避けましょう。
心臓病の犬がごはんを食べないときは?
心臓病が進行すると、食欲が低下する犬もいます。
食べない状態が続くと、体重だけでなく筋肉量も減少し、体力を維持しにくくなります。
食べやすくする方法には、次のようなものがあります。
- 1回量を減らして食事回数を増やす
- フードを人肌程度に温めて香りを立たせる
- ドライフードを少量のぬるま湯でふやかす
- 主治医が許可したウェットフードを利用する
- 食べやすい高さに食器を調整する
突然食べなくなった、呼吸が速い、咳が増えた、ぐったりしている、薬を飲んだ後から食欲が落ちたといった場合は、心臓病の悪化や薬の影響なども考えられます。
食いつきの工夫だけで様子を見続けず、主治医へ連絡してください。
犬の心臓病と食事についてよくある質問
心臓病なら徹底的に減塩したほうがいいですか?
すべての心臓病の犬に、同じ程度の厳しい減塩が必要とは限りません。
必要なナトリウム制限は、心臓病の種類や進行度、うっ血性心不全の有無などによって異なります。現在の病期に適した食事を主治医へ確認してください。
さつまいもは心臓病によいですか?
心臓病を治療する食品ではありませんが、心臓病だから一律に禁止される食品でもありません。
食事制限がない犬であれば、味付けせず加熱したものを少量与える方法があります。
りんごは食べても大丈夫ですか?
心臓病だから禁止されるわけではありません。種と芯を取り除き、少量のおやつとして与えます。
肥満や糖尿病などがある犬は、主治医の指示を優先してください。
納豆やヨーグルトを与えてもいいですか?
食事制限がなく、食べても体調を崩さない犬であれば、無調味のものを少量与える方法はあります。
ただし、人間用のたれを付けた納豆や、砂糖・甘味料入りのヨーグルトは避けてください。心臓病の治療を目的として毎日与える必要もありません。
手作り食のほうが心臓によいですか?
手作り食だから、市販フードより心臓病によいとは限りません。
肉、野菜、炭水化物を組み合わせただけでは、必要な栄養素が不足する可能性があります。完全手作り食を主食として続ける場合は、専門的な栄養設計が必要です。
心臓病によいドッグフードはありますか?
すべての心臓病の犬に適する一つのフードはありません。
病気の種類、進行度、必要なナトリウム制限、体重、筋肉量、腎機能、投薬内容などによって選ぶフードは変わります。
まとめ|犬の心臓病の食事は病状に合わせて考える
犬の心臓肥大や心臓病では、食事管理が治療を支える重要な要素になることがあります。
ただし、次のように単純に考えることはできません。
- 心臓病なら塩分を可能な限りゼロにする
- 特定の食材を食べれば心臓が強くなる
- 手作り食なら市販フードより心臓によい
必要なナトリウム制限は病状によって異なり、使用している薬によってはカリウムなどの管理も必要です。また、進行した心臓病では体重と筋肉量の維持も重要になります。
ささみ、白身魚、さつまいも、かぼちゃ、りんごなどは、心臓病だから一律に禁止される食品ではありません。しかし、心臓病を治療する食品でもありません。
「心臓によい食べ物は何か」だけでなく、「今の愛犬に必要な栄養管理は何か」という視点で、主治医と相談しながら食事を決めましょう。
和漢・みらいのドッグフードの口コミや定期購入の条件については、以下の記事も参考にしてください。
免責事項:本記事は犬の心臓病と食事に関する一般的な情報を紹介するもので、病気の診断・治療や特定商品の効果を保証するものではありません。食事の変更や療法食、サプリメントの使用については、かかりつけの獣医師へご相談ください。




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