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愛犬が膵炎と診断されると、
「何を食べさせればいいの?」
「ささみやさつまいもは大丈夫?」
「手作りごはんを作ってあげてもいい?」
「療法食を食べないときはどうすればいい?」
と、毎日の食事に悩む飼い主さんも多いでしょう。
犬の膵炎では、治療とともに食事管理が重要になります。特に犬では、獣医師から低脂肪の食事を指示されることがあります。
ただし、膵炎の食事は「脂質をできる限りゼロにする」「食べさせずに膵臓を休ませる」と単純に考えるものではありません。
現在は、制御できない激しい嘔吐などがある場合を除き、必要な栄養を適切に摂取することも重要と考えられています。
また、急性膵炎なのか慢性膵炎なのか、肥満や高脂血症、糖尿病、クッシング症候群などの併存疾患があるかによっても、適した食事は変わります。
この記事では、犬の膵炎の食事について、食べてはいけないもの、ささみ・さつまいも・納豆などの食材、手作り食、食事回数、療法食を食べないときの対応までわかりやすく解説します。
※膵炎は重症化することもある病気です。嘔吐、腹痛、元気消失、食欲不振などがみられる場合は、食事だけで対処せず動物病院を受診してください。
30秒でわかる!この記事の結論
– 食事の基本: 犬の膵炎では低脂肪で消化しやすい食事が選択されることがあります。
– 注意したいもの: 脂身の多い肉、揚げ物、脂肪の多い人間用食品などは避けましょう。
– ささみ・白身魚: 味付けせず脂肪の少ない部位を適量使う方法があります。
– さつまいも: 膵炎だから禁止される食品ではありませんが、与えすぎには注意します。
– 手作り食: 長期間主食にする場合は栄養バランスの設計が必要です。
– 食欲がない場合: 膵炎による吐き気や痛みなども考えられるため、長期間自己判断で様子を見ないようにしましょう。
犬の膵炎では食事管理が重要
犬の膵炎では、治療とともに食事管理が重要になります。
特に犬では、脂肪分を抑えた食事が選ばれることがあります。Merck Veterinary Manualでも、犬の膵炎では低脂肪食が重要な管理要素の一つとして説明されています。
ただし、「脂質はできるだけゼロにする」「何も食べさせず膵臓を休ませる」と自己判断するのは適切ではありません。
膵炎の重症度や、嘔吐の有無、食欲、体重、糖尿病や高脂血症などの併存疾患によって必要な食事管理は変わります。
そのため、「膵炎に良い食材」を一つ探すよりも、今の愛犬に必要な脂質量やエネルギー量を主治医と確認しながら食事を考えることが大切です。
犬の膵炎では低脂肪食にしたほうがいい?

犬の膵炎では、低脂肪食が勧められることがあります。
脂肪分の多い食事は犬の膵炎と関連する要因の一つと考えられており、特に高脂血症などを伴っている場合には食事中の脂質管理が重要になります。
ただし、
「膵炎=脂質を完全にゼロにする」
という意味ではありません。
脂質も犬に必要な栄養素の一つです。必要以上に制限すれば、食事全体のエネルギー量や栄養バランスに影響する可能性があります。
また、市販フードの脂質量は「○%」という表示だけでは単純比較しにくい場合があります。
膵炎と診断されている犬では、現在使用しているフードを持参したり商品名を伝えたりして、主治医に継続してよいか確認するのが安心です。
膵炎の犬が食べてはいけないものは?

膵炎の犬では、特に脂肪の多い食品や人間用の高脂肪食品に注意します。
脂身の多い肉・高脂肪食品
豚バラ肉など脂身の多い肉、鶏皮、バター、生クリーム、揚げ物などを、膵炎の犬に自己判断で与えることは避けましょう。
「少しくらいなら」と人間の食事を分け与えることで、食事全体の脂質量が大きく増える場合があります。
特に普段から低脂肪食を指示されている犬では、おやつやトッピングも含めて考えることが大切です。
人間用の加工食品・味付け食品
ベーコン、ハム、ソーセージ、脂肪の多いチーズなども、膵炎の犬への日常的なおやつやトッピングには向きません。
脂質だけでなく、塩分や調味料なども含まれるためです。
犬に有害な食品は膵炎に関係なく与えない
玉ねぎ・長ねぎ・にらなどのネギ類、チョコレート、ぶどう・レーズン、キシリトールを含む食品などは、膵炎の有無にかかわらず犬に与えないでください。
一方で、「膵炎だからこの野菜は全部禁止」と一般的な野菜まで一律に除外する必要はありません。
現在の食事内容や併存疾患を踏まえて判断しましょう。
膵炎の犬が食べていいものは?

「膵炎の犬が食べていいもの」を考えるときは、特定の食材を万能食として考えないことが重要です。
一般的には、主治医から食事制限を受けていない範囲で、脂肪分の少ない食材を少量トッピングに利用する方法があります。
たとえば、
- 皮や脂身を除いた鶏むね肉・ささみ
- タラなどの白身魚
- 味付けせず加熱した野菜
- 少量の白米やいも類
などです。
ただし、これらを組み合わせれば膵炎用の完全な治療食になるわけではありません。
主食として使用する場合は、必要なビタミン・ミネラルなどを含めて栄養設計する必要があります。
膵炎の犬にささみ・鶏むね肉は与えていい?
皮や脂身を取り除き、味付けせず十分に加熱したささみや鶏むね肉は、膵炎の犬でも食事に取り入れられる場合があります。
脂肪分の少ないタンパク源として使いやすい食材ですが、
「ささみならいくらでも与えてよい」
という意味ではありません。
総合栄養食や療法食を主食にしている犬に大量のささみを追加すると、食事全体の栄養バランスが変わります。
また、病気の状態によっては別の食事制限が必要なこともあります。
普段のフードへのトッピングとして継続する場合は、量について主治医に相談しましょう。
膵炎の犬にさつまいもは与えていい?
さつまいもは、膵炎だから一律に禁止される食品ではありません。
味付けせず十分に加熱したものを、少量のおやつやトッピングとして使用できる場合があります。
ただし、
「脂質が少ないから膵炎に良い食べ物」
と考えて大量に与えるのはおすすめできません。
さつまいもには炭水化物とエネルギーが含まれます。
肥満している犬や糖尿病などを併発している犬では、与える量を食事全体から考える必要があります。
また、さつまいもを食べることで膵炎そのものが治ったり、炎症が改善したりするわけではありません。
膵炎の犬に納豆は与えていい?
納豆も、膵炎だから絶対に禁止される食品ではありません。
ただし大豆には脂質も含まれるため、低脂肪食を指示されている犬に積極的に追加すべき食品とも言い切れません。
与える場合は人間用のタレやからしを使用せず、少量から考えます。
すでに療法食を使用している場合は、納豆などのトッピングを追加することで全体の脂質や栄養バランスが変わる可能性があります。
「健康に良さそうだから」という理由だけで毎日追加するのではなく、主治医の食事指示を優先してください。
膵炎の犬におすすめの野菜はある?

膵炎を治療する特別な野菜があるわけではありません。
キャベツ、大根、にんじん、かぼちゃなど、犬が通常食べられる野菜を少量トッピングに使用できる場合があります。
ただし、
「この野菜は膵炎に効く」
「必ず茹でなければ膵炎が悪化する」
といった一律の考え方は避けましょう。
加熱すると食べやすくなる野菜はありますが、調理方法は食材によって異なります。
また、野菜を増やしすぎることで主食の摂取量が減ってしまうことにも注意してください。
膵炎の犬に手作り食を作ってもいい?
膵炎の犬に手作り食を与えること自体が禁止されているわけではありません。
しかし、
肉+野菜+ご飯
といったシンプルな組み合わせだけでは、長期間必要な栄養素を満たせない可能性があります。
WSAVAでも、犬の栄養管理では個々の犬の状態を評価し、それに合った食事計画を立てることが重要とされています。
特に病気の犬では、脂質だけでなく、エネルギー量、タンパク質、ミネラル、ビタミンなども考える必要があります。
完全手作り食を主食として長期間続けたい場合は、獣医師や獣医栄養学に詳しい専門家に相談しましょう。
白身魚と野菜のトッピング例
完全栄養食や療法食を主食として食べている犬で、主治医からトッピングを許可されている場合には、少量の手作り食を追加する方法があります。
材料例
- タラなど脂肪の少ない白身魚
- 大根
- にんじん
- 少量の白米
白身魚は骨を取り除き、味付けせず十分に加熱します。
野菜も食べやすい大きさにして加熱し、少量の白米と合わせて普段のフードにトッピングします。
これは膵炎を治療するレシピではなく、完全栄養食でもありません。
ささみとかぼちゃのトッピング例
皮や脂身を取り除いた鶏ささみを十分に加熱し、柔らかくしたかぼちゃと少量合わせる方法もあります。
かぼちゃの甘みで食べやすく感じる犬もいますが、糖質やカロリーも含まれるため大量に追加しないようにしましょう。
現在の主食が療法食の場合には、トッピング量について主治医に確認してください。
膵炎の犬の食事回数は?少量頻回がいい?
膵炎からの回復期や食欲が低下している犬では、一度に大量の食事を与えるのではなく、少量ずつ複数回に分けて与える方法が選択されることがあります。
ただし、
「膵炎なら必ず1日3回」
「4回に分ければ膵臓への負担がなくなる」
という決まりがあるわけではありません。
必要な食事回数は、膵炎の重症度、食欲、嘔吐の有無、1日に必要なエネルギー量などによって変わります。
また、現在は制御できない嘔吐がある場合などを除いて、長期間絶食させて「膵臓を休ませる」ことは一般的には推奨されません。Merck Veterinary Manualでも膵炎の管理では支持療法と適切な栄養管理が重要とされています。
退院時に食事回数を指定された場合は、動物病院からの指示を優先してください。
膵炎の犬がごはんを食べないときは?
膵炎では食欲低下や嘔吐、腹痛、脱水などがみられることがあります。
そのため、
「療法食が嫌いだから食べない」
と決めつけないことが重要です。
膵炎による吐き気や痛み、脱水などが原因で食べられない可能性もあります。
フードを少量ずつ与える、食べやすい形状にするなどの工夫ができる場合もありますが、長時間ほとんど食べない状態が続いている場合は食事だけで様子を見ないでください。
特に、
- 繰り返し吐く
- 水も飲めない
- 強く元気がない
- お腹を痛がる
- ぐったりしている
といった様子がある場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
クッシング症候群や高脂血症を併発している場合
犬の膵炎では、膵炎だけでなく併存疾患を含めて食事を考えることも重要です。
Merck Veterinary Manualでは、高トリグリセリド血症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)などが犬の膵炎のリスク要因として挙げられています。
クッシング症候群を併発している場合には、膵炎だけを基準に食事を決めず、体重、血糖値、血中脂質なども含めて主治医と相談しましょう。
≫≫ 犬のクッシング症候群の食事|おすすめの食材・さつまいも・手作りレシピを解説
膵炎の犬のドッグフード・療法食の選び方
膵炎の犬のドッグフードでは、脂質量だけで商品を選ばないことも大切です。
現在の病状、体重、食欲、併存疾患などを確認しながら、必要なエネルギーと栄養を摂れるフードを選びます。
低脂肪の療法食が選択されることもありますが、膵炎のすべての犬に同じフードが適しているわけではありません。
また、食欲が低下している犬では、栄養設計だけでなく「必要量を食べられるか」も重要になります。
療法食を食べない場合には、すぐ別の商品に自己判断で変更するのではなく、主治医に相談して代替できるフードがあるか確認しましょう。
和漢系ドッグフードを検討している場合
市販の低脂肪フードや療法食のほか、和漢素材などを取り入れたドッグフードを検討している飼い主さんもいるでしょう。
ただし、膵炎の犬に適しているかどうかは、
「和漢を使用しているか」
「手作り風だから食べやすそうか」
だけでは判断できません。
現在の病状や脂質量、栄養設計、併存疾患などを確認し、必要に応じて主治医にも相談したうえで選びましょう。
当サイトでは、sowakaと和漢みらいのドッグフードについて、それぞれの特徴や違いを比較しています。
≫≫ sowakaと和漢みらいのドッグフードを比較!療法食を食べない愛犬にはどっち?
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犬の膵炎と食事についてよくある質問
膵炎なら脂質をゼロにしたほうがいい?
脂質を完全にゼロにするという意味ではありません。
犬の膵炎では低脂肪食が勧められることがありますが、必要なエネルギーや栄養を確保することも重要です。
具体的な脂質量は病状や使用しているフードによって異なるため、主治医に確認しましょう。
膵炎では絶食させたほうがいい?
現在は、制御できない嘔吐などがある場合を除いて、長期間絶食させることは一般的には推奨されません。
膵炎の犬でも適切な栄養摂取を維持することが重要です。
食事をいつ再開するかは病状によって異なるため、動物病院の指示に従ってください。
ささみは毎日食べても大丈夫?
少量のトッピングとして使用できる場合がありますが、毎日大量に与えると食事全体の栄養バランスが変わります。
主食として与えるのではなく、現在のフードと合わせて量を考えましょう。
さつまいもは膵炎に良い?
膵炎を改善する食品というわけではありません。
一方で膵炎だから一律に禁止される食品でもないため、病状や他の疾患に問題がなければ少量利用できる場合があります。
膵炎は手作り食で治る?
手作り食だけで膵炎そのものを治療できるとは考えないでください。
膵炎では重症度によって点滴、吐き気や痛みへの治療などが必要になる場合があります。
手作り食は治療の代わりではなく、必要に応じて食事管理の一部として考えます。
膵炎は治ったら普通のフードに戻せる?
急性膵炎から回復した後の食事は、その犬の状態によって異なります。
再発歴がある犬や高脂血症などのリスク要因がある犬では、低脂肪食の継続を勧められることもあります。
自己判断で元のフードへ急に戻すのではなく、食事変更について主治医に確認しましょう。
まとめ|犬の膵炎の食事は「低脂肪+必要な栄養」を考える
犬の膵炎では、食事管理が治療を支える重要な要素になります。
ただし、
「脂質を完全にゼロにする」
「絶食させて膵臓を休ませる」
「ささみやさつまいもなら好きなだけ食べてよい」
「手作り食なら膵炎に良い」
と単純に考えないことが大切です。
膵炎では低脂肪食が勧められる場合がありますが、必要なエネルギーや栄養を確保することも重要です。
また、クッシング症候群や高脂血症などの併存疾患があれば、食事の考え方も変わります。
「膵臓に良い食べ物」を探すのではなく、
「今の愛犬の膵炎の状態に必要な食事は何か」
という視点で、主治医と相談しながら食事を選んでいきましょう。



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